去年コンシューマ版が発売されて、今年の始めにこのブログでもレビューした傑作アクションパズルRPG『CrossCode』。興味深いストーリー、美しいグラフィック、遊び応えたっぷりのボリュームが魅力の良いゲームだった。
なのだが、クリア後に気がかりだったのが、続きをお楽しみに!という感じで終わっていたことだ。
でも、もう心配はいらない。予告されていた続編、そして完結編にあたるのがこのDLC『A New Home』! ただのおまけDLCではなく、本編の正統続編と言っていい内容になっている。当然ボリュームもたっぷり*1なので、本編をクリアするまで気に入った人であればぜひ遊んでほしい。逆にこれから遊ぶなら、DLCも含めて一本のゲームと考えていいと思う。
一方で、人によっては難点となりうるポイント……高い難易度と、ボリュームの多いパズルも本編と同様。もっと言うと、クリア後コンテンツにふさわしい、さらなる高難易度となっている。
ちょっと知らん顔でおすすめするのは気が引けるくらい難しかったので、紹介の後におまけでプチ攻略を掲載しました。詰まったらこちらも参照してみてね。
!ネタバレ注意報! 以下、本編のがっつりネタバレを含みます。『A New Home』についても致命的なネタバレにならない範囲でスクショをばんばん掲載してます
レアとの再会、エヴォターの未来
本編のラストで、レアたちエヴォターは一旦は休眠させられてしまう。存在そのものが非合法な目的のための非公式なものであったからだ。だが、本編終盤においてエヴォターの未来を繋ぐための働きかけができていれば、エンディング後に未来へと続く「道」が現れる。
DLC『A New Home』を適用すると、この道から本編の続き=Chapter11以降がプレイできるようになる。もし道がない場合は、ラストダンジョン前に戻ってフラグを立て直すことができる。イベントはスキップ可なので、条件を満たすのにそれほど時間はかからない。
ついにレアが大好きな仲間たちと再会するときが来るのだ! もちろん、大好きな「あの人」との再会もある。仲間たちは変わらず元気な姿を見せてくれるし、悪名高き(?)ハグも健在。
だが、喜んでばかりもいられない。人間として生きた記憶と意識を持ちながら、ゲームの中でしか生きられないエヴォター。そんな彼らに与えられた「新しい家」での生活……それは本当に幸せなことなのだろうか? ここでは、エヴォターという存在がどのように生きていくかという「ハッピーエンドの先」がしっかり描かれている。
また、本編終盤で不自然に姿を消した仲間・トロニーは、エンディングでの意味深な発言など謎を残していた。本DLCではこのトロニーがやや特殊な形で再登場して、その謎に迫っていくことになる。
このあたりが、『A New Home』のストーリー的な見所となる。
新エリア・新クエスト!
レアが眠りについていた間も、「クロスワールド」の開発は順調だったようである。ロンバス広場の拡張や、強力な新武器の実装など、DLCを適用すると行ったことがある場所も本編から地味に変化したりする。
目玉として、レアが戻ってきたのとほぼ同時に、海辺の新エリアが新規実装される。夏だ!海だ!インスタントマターは泳げないけど!
そこそこ広いエリアとなっていて、新モンスターや新植物もあり、たっぷり探索が楽しめるだろう。恒例のジャンピングパルクールもあります。
更に新たなクエストも追加される。このクエスト群、やたらアクの強い専用のキャラが登場してきたりと、本編よりお遊びが多めで面白い。何これぇ……。
ボリュームたっぷり(すぎる)新ダンジョン
そして、もちろん新ダンジョンもある。
さて、本編のダンジョンについて、「面白いんだけど、しんどい」という感想を持った人は多いだろう。今回、あるちょっとした見せ方の違いによって、「しんどさ」はいくらか軽減されたと感じた。こんなことで? と思うかもしれないが、実際にやってみるとこれが結構違うのだ。クロスワールドの運営……じゃなかったCrossCodeの開発は、ユーザーの声にしっかり耳を傾けてくれているようだ。そういうとこ好きだよ。
パズルには新たな仕掛けも登場して、前半まではテンポ良く進んでいく。後半には、クリア後コンテンツにふさわしい高難易度のパズル、そして本編も含めた中でぶっちぎり最凶と言えるボスが待ち受けている。気合入れて頑張ろう。
やっぱりもっと売れるべき作品
本作、完結したという情報が十分に行き届いてなさそうなのが非常にもどかしい! ちゃんと完結したことで、より一層おすすめできる作品になりました。
海外開発(本拠地はドイツのようだ)の作品ながら、JRPGへのオマージュが感じられたり、アニメ調の表情豊かなキャラクターだったり、重要キャラが日本人だったりするなど日本でもヒットするポテンシャルのある作品だと思うので、宣伝もっと頑張ってほしいなと改めて。
余談だが、本作を開発したRadical Fish Gamesは現在新作を開発中らしく、開発中の動画なども公開されている。CrossCodeの欠点だった立体感が分かりやすくなっているのが素晴らしい。次回作にも期待したい!
We also have a new showcase of Juno in action! Also giving a first peak at range combat and the new attack combo system! #ProjectTerra #gamedev #indiedev #pixelart #ドット絵
— RadicalFishGames (@RadicalFishGame) 2021年9月14日
You can read more about Juno here: https://t.co/39EEU9TLv0 pic.twitter.com/ezswuFZTAB
▼ゲーム情報
- プラットフォーム:Steam / Switch / PS4 / Xbox One
- 価格:(本編)2,000円前後、(A New Home)1,000円前後
- プレイ時間:(本編)50~60時間程度、(A New Home)10~20時間程度
- 公式サイト:http://www.cross-code.com/en/home
おまけのプチ攻略
神殿のパズル
今回のダンジョンは過去最大級のボリュームで、レースというかマラソンである。恒例のダンジョンレースもあるものの、長丁場なのであまり意識しすぎない方がいいと思う。
かなり精密なコントロールが要求される場面もあるので、上手くいかなくてこの方法じゃないのかな?と思っても諦めずに何回か試してみるのが吉。たぶんそれで合ってる。
トゲトゲと各属性の組み合わせは、突進(火)、落下(氷)、引き寄せ(電撃)、射線上の波動スポットに向かって移動(波動)。電気玉・波動玉との組み合わせは「飲み込んで一緒に運ぶ」ようなイメージかと。正式名称が全然分からないので勝手な名前で呼んでるけど伝わってますか?
なお、オプションでパズル速度を下げていると電気玉が途中で力尽きてクリアできないパズルがあるという不具合が確認されているのでご注意を。速度下げたくなるシビアさなだけにひどい。
神殿のボス
装備とか育成状態にもよると思うので参考程度に……。演出がいちいち長いので、自動回復が結構有効なボスだと思う。
★フェーズ1(HPゲージ半分まで)
炎、氷、電撃、波動それぞれの攻撃をする敵を、ランダムで2体ずつ召喚してくる。どちらか1体落とすと中央に本体が現れるので、ポカポカ殴ってブレイクゲージを溜める。ブレイクするとHPゲージを削れるようになるのでポカポカ殴る。
火力が出る炎と電撃を使って、仕留めやすい氷と波動のやつを優先して狩ると楽。氷は落下攻撃の場所からややずれた位置でガードしておいてすぐ炎で反撃。波動は攻撃してくるタイミングに合わせて強引に電撃スローアーツLv2の「チェインブリッツ」を当てると、そのままダウンまで簡単に持っていける。
HPを1/4削ると太陽が出現。トゲトゲはパズルと同じ方法で手早く処理。最後のライン攻撃は音を目安にタイミング計って直角方向に回避。ここまでを2セットでフェーズ1終了。
★フェーズ2(HPゲージ半分以降)
基本的な流れは同様だが、一度に4体出るようになる。そのうち2体を落とすと本体が現れる。他は同様。攻撃の頻度は増えるが、同時に襲ってくるわけではないので、落ち着いてガードすれば大丈夫。たぶん。
トゲトゲ処理も4つ同時になる。全部処理しきれず時間切れになっても、その後の攻撃内容が増える?だけでそのまま倒せるようでした。
*1:人より時間がかかる自分の計測で20時間超。普通でも10時間は遊べるはず