束子ダイナミック

ゲームを遊んだりゲームに遊ばれたりしている

『ポケモン』が仕掛けたノスタルジーの時限爆弾

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 ポケモンはゲーム発のキャラクターコンテンツとしては規格外に大人気だ。日本だけでなく世界中で大人気だし、25年前に世に出てからというものずーっと大人気だ。もう意味が分からないほどだ。

 私もポケモンが大好きだ。ゲーム自体は最近そんなに熱心に遊んでないけど、それでもポケモンは特別な存在である。それは何というか至極当たり前の話なのだが、この感覚はもしかすると世代に依存するものなのかもしれない。

 ここ数年で、ポケモンの出してくるコンテンツの毛色が変わってきているように見える。懐かしく素朴、もしくはシリアスな雰囲気を押し出した、大人向けの作品が増えている。分かりやすいのがアニメ劇場版で、2017年からリメイク作品が続き、最新作は初期の作風を思わせるテーマ性の強いものとなっているようだ。

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https://www.pokemon-movie.jp/history/

 一見よくある、大人になった直撃世代をターゲットにしたリバイバルの流れに見える。だが、これは一過性のリバイバルにはとどまらないのではないかと思う。

 『ポケモン』のお話はゲームもアニメも大体共通して、主人公の少年少女が旅を通してポケモントレーナーとして成長していくという筋書きだ。10歳そこそこの子供が親元を離れて一人と一匹で旅立ち、様々なポケモンやトレーナーと出会い、最強のチャンピオンを制してポケモンマスターにまでなれる。同年代の子供にとって、そういう「少し背伸びした自分だけの冒険」がどれだけ魅力的な体験だったか!わかるでしょう?

 『ポケットモンスター 赤/緑』の発売が1996年。当時の小学生は今30代くらいだろうか。このあたりより下の世代には、リアルに子供の頃の大冒険としてポケモンを遊んだ経験をもつ人間は多い。自分もそういうポケモンキッズのひとりである。

 ところで、この百種類以上ものポケモンを捕まえて育てて戦わせるというゲームコンセプトは、子供の頃の昆虫採集の楽しみから着想されたという。初代ポケモンの主人公の家のテレビには『スタンド・バイ・ミー』らしき映画が流れているというのは有名な話だ。主に子供をターゲットにしたゲームでありつつ、最初から「子供時代のノスタルジー」の要素が込められていたということだ。

 それを本当の子供時代に浴びるとどうなるか。仮初めのノスタルジーは時を経て現実のノスタルジーとなる。いい大人になった元ポケモンキッズには、もしかして10歳くらいの子供がいるのかもしれない。そうして『スタンド・バイ・ミー』の主人公のように、ポケモンと旅したあの日をリアルな子供時代の思い出として懐かしく回顧することができる。

 たとえ現在ゲーマーでなかったとしても、そういう思い出を持つ潜在的ポケモン好きはかなり存在していると思われる。それを証明するのが、ポケモンファンによるポケモンファンのためのラブレターである映画『名探偵ピカチュウ』の全世界でのヒットだろう。主人公が「かつてポケモンマスターを夢見て、今はそうでもない青年」とされているのにもそういった層への目配せが感じられる。*1

 あるいは、歴代作品のネタが詰め込まれたこの動画が好評を博したのも記憶に新しい。

youtu.be

 ポケモンはただでさえ良いゲームだし、今でも十分すぎるほど大人気だが、本当の強さは子供時代の思い出と分かち難く結びついてしまうことにある。そうなった人間にとっては、単なる「昔遊んだ面白かったゲーム」や「好きなゲームシリーズ」に終わらず、もう少し深いところに突き刺さったノスタルジーの時限爆弾となっている。

 そして重要なのが、ポケモンは現在までほぼ切れ目なくリリースされ続けているため、その爆弾を仕掛けられた世代は増え続けているということだ。他のリバイバルと決定的に異なるのがここで、「ポケモン世代」は初代世代を皮切りに延々と続いて途切れることがない。だからこのノスタルジーが持つエネルギーは、むしろ時間が経つほど増大していくことが予想される。

 これからもポケモンが続いていく限り、ポケモンは世界中で少なくない人々の人生の一部になっていく。一体どこまで大きくなるのだろう?

*1:原作のゲームは確かそうではない

2021年5月に遊んだゲームと書いた記事

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月初に実家に帰ったら、先月預けた『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に苦戦していた。このゲームやっぱり難しいよね。

ブレワイについてはゼルダファンとして発売時すごく楽しみにしていたのに、どうも相性が悪くてあまり楽しめなかったトラウマがあり、いずれ向き合わねばと思いつつも数年そのままになっていたのだった。

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『サガフロ』の「クーン編は難しい」ってそういうことだったのかよ(ネタバレあり)

どこの攻略サイトを見ても書かれている。

「クーン編は難しいから一周目にはおすすめしない」 

理由としては真っ先に「モンスターの変身システムの独特さ」が挙げられているが、それは本当は三番目くらいの理由だ。本当の理由は隠している……ネタバレになるから。クリアして全てを知った今、ネタバレを避けながらそれとなく伝えてくれているその優しさが分かる。

「クーン編は難しい」……そういうような話をなんとなく知りつつも(知ったからこそかもしれないが)一周目からクーン編をやってみて分かった「難しい」の本当の意味。それは難所というよりだ。

※プレイしたのはリマスター版。一応致命的なやつは伏せているが、終盤までのネタバレがあります

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忙しい大人のための短編DLゲーム特集(Switch / PS4対応)

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  ゲームというのは基本的に時間のかかる遊びだが、そうでないものもある。近年はダウンロード専売タイトルの隆盛もあり、数時間でクリアできる小粒なゲームも珍しくない。このダウンロードというのが便利なもので、ゲーム機のメニューからポチポチと30秒くらいで購入してそのままダウンロードしてすぐ遊べるので、たいへん助かる。

ということでこの記事では、

  • SwitchもしくはPS4のダウンロードストアで買える
  • 概ね10時間以内でクリアできる
  • 短くても濃い

タイトルを5つ紹介する。

  • ロボットを駆りヒロインを救え!『アスタブリード』
  • 最強のゴリラになれる『APE OUT』
  • 全てはこの瞬間のため『ブラザーズ : 2人の息子の物語』
  • 大人のバーテンダー会話シミュ『Va-11 Hall-A』
  • ゲームでならどこまでできる?『HEAVY RAIN -心の軋むとき-
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PS4の「Play at Home」で無料配信されてるゲームを全部遊んでみる【その4・『Horizon Zero Dawn』編】

 待ってないかもしれないけどお待たせしました。「Play at Home」を全部遊んでみる連続記事のその4、『Horizon Zero Dawn』編です。4月に配布されていたタイトルを遊んだ【その1】から【その3】はこちら。

 今回も当然未クリアなので、レビューというかファーストインプレッション的なものになります。

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  • プレイ範囲:使者として旅立つところまで
  • プレイ時間:5〜6時間くらい
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2021年4月のゲーム雑記(ロマサガとPlay at Homeとマグラムロード)

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『Paper Beast』今日の名言

 4月が終わってしまいました。楽しみにしてた『サガフロンティア リマスター』が買っただけでまだ遊べてないのに。その代わりに色々できたのでまぁいいことにして、サガフロは5月からやっていきます。

 4月の最初はロマサガの思い出記事を更新。

towersea255.hatenablog.com

 ロマサガ遊んだのは中学生くらいのとき(ミンサガは数年前)で、当時強烈に印象に残ったことをその印象のまま書いた。紹介するでもなくただのお気持ちなので、価値があるのかはよく分からないが、自分のサガシリーズに対する執着の一端が伝わってれば幸いです。

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アクション部分に過度な期待は禁物だが、ここには確かに「ときめき」がある!『MAGLAM LORD/マグラムロード』レビュー

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 なんでわざわざ『マグラムロード』を手に取ったのか、という話である。どうもB級感の漂う完全新規タイトル。面白い保証はなかった。

 その理由は……「なんかガッツリしたゲームに疲れてて、気楽なチャラい感じのゲームやりたかった」から。

 で、その希望が満たされたかというと、これは間違いなく満たされたのである。このゲーム、色々問題はあるんだが、自分はなんだかんだ楽しんでエンディングまで到達できた*1し、何なら割と気に入っている。それを踏まえて、レビューいってみよう。

youtu.be

  • プラットフォーム:PS4 / Switch ※各ストアページにリンク
  • 価格: パッケージ版 7,040円 / ダウンロード版 6,400円
  • 公式HP:https://www.d3p.co.jp/maglamlord/
  • クリアまでにかかった時間:30時間程度
  • ストーリー:魔剣と魔王と絶滅危惧種と、コンカツ?
  • アクション:触り心地は悪くないが、アクションもカスタムも浅い!
  • コンカツ: 魅力的なキャラクターと圧倒的低予算感
  • まとめ:ポテンシャルは感じるので、アプデや次回作に期待

*1:参考までに、去年のゲームクリア率は35%くらい

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