束子ダイナミック

変なゲームと優しい物語が好きなブログ

右……いや左!『Blind Drive』で最悪の目隠し逆走ドライブに出発だ!【短編ゲームレビュー】

科学実験という名目の高給バイトに参加した主人公。電話の声に言われるがまま、車に乗って目隠しをした瞬間……車が勝手に発進! ブレーキは効かない! おまけに道路を逆走している! 最悪のドライブの始まりだ!!

――という、カーチェイス映画好きならこれだけで間違いないと確信するあらすじの、公式曰く「目を閉じて遊ぶとなお良し」なゲーム*1。とはいえ画面に何も映らないわけではなく、UIや演出が表示されるので目は開けておいてもいいだろう。瞑ったほうが集中できる! という場合は、その限りではないが……。

実際やることは「対向車が左右どっちから来てるかを聴き分けて、右か左を素早く入力して避ける」、基本的にはそれだけ。たまにぶつかると有利になる車両(⁉)が来る引っ掛けなどもある。要するに旗上げゲームみたいなものなのだが、道中では思わずクレーム電話を入れたくなるような各種アクシデントが起こったり、黒幕やババア*2とのウィットに富んだ電話劇が繰り広げられたりと、「それだけのこと」を飽きさせない怒涛の展開が次々に襲い掛かる。

ドライブが進むにつれてテンションは右肩上がりに上がっていき、最後には主人公と一緒になって声を上げてしまうこと間違いなし。それが悲鳴なのか歓声なのかは、君の目で確かめてくれ!……違った。君の耳で確かめてくれ!

建て付けとしては体力制で細かくチェックポイントがある、実質ステージ制のような意外とシステマチックな作り。ゲームオーバーになるとノンストップドライブ感が途切れてしまうのは少し気になったが、逆に言うとゲームとしてしっかり攻略できるものになっている。

つまり、ごくシンプルな反射神経アクションゲームの聴覚バージョンなのである。例えば音が聴こえにくい区間、雑音が多い区間、聴き分ける必要のある音が多い区間など、ステージごとに個性が付けられた難易度設計がされている。また本作の音は臨場感があるだけでなく、どれも非常に高解像で、こういうゲームにもかかわらず理不尽な印象が全くなかったのは素晴らしいところ。

難易度はおそらく音響環境にも左右されると思うが、手持ちの音楽鑑賞用ヘッドフォンと貧弱な反射神経だとイージーでも十分に難しく感じた。ただしクリア後に撮影のために序盤をやり直したら嘘のように上達していたので、人によっては簡単なのかもしれない。今後の人生で目隠しで運転する羽目になる可能性のある人は、遊んでおくと生存率がアップするだろう。

FPS用のゲーミングヘッドセットなどお持ちの方は是非それで。サラウンド機能なんかあるとどうなるのだろう。大音量で遊ぶのが攻略面でも気分を上げる意味でも望ましいのだが、確実に耳には悪いので必要に応じて適度に休憩を挟むこと。

普通のゲームだと明暗調整とかするタイミングでこの質問

ということで『Blind Drive』。目を瞑っても遊べるゲームと聞いて前のめりになった人、2時間以内で遊べる変わったゲームを探してる人、『クレイジータクシー』や『ワイルド・スピード』あたりの雰囲気が大好きでたまらない人、あとおばあちゃんと仲が良い人にオススメです。

 

▼ゲーム情報

  • プラットフォーム:PC、スマホ
  • プレイ時間:クリアまで1時間~1時間40分程度

store.steampowered.com

play.google.com

Blind Drive

Blind Drive

  • Lo-Fi People
  • ゲーム
  • ¥650

apps.apple.com

 

▼関連記事

これだから口の悪いナビゲーターってやつは!

towersea255.hatenablog.com

*1:ただし日本語吹き替えはない

*2:英語では普通にGrandmaなのに字幕翻訳がババアなの、癖が強くて好きだ