束子ダイナミック

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『サガフロ』の「クーン編は難しい」ってそういうことだったのかよ(ネタバレあり)

どこの攻略サイトを見ても書かれている。

「クーン編は難しいから一周目にはおすすめしない」 

理由としては真っ先に「モンスターの変身システムの独特さ」が挙げられているが、それは本当は三番目くらいの理由だ。本当の理由は隠している……ネタバレになるから。クリアして全てを知った今、ネタバレを避けながらそれとなく伝えてくれているその優しさが分かる。

「クーン編は難しい」……そういうような話をなんとなく知りつつも(知ったからこそかもしれないが)一周目からクーン編をやってみて分かった「難しい」の本当の意味。それは難所というよりだ。

※プレイしたのはリマスター版。一応致命的なやつは伏せているが、終盤までのネタバレがあります


故郷のマーグメルを救うため、願いを叶える指輪の兄弟を集めに旅立ったクーン。最初に到着したスクラップの酒場では、いきなり四人も仲間を得ることができる。

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しかもそのうちの一人、指輪の研究者であるメイレンは他の指輪のありかも大体知っているという。幸先はたいへん良い。

罠① いきなりタンザー

その幸先を最速で挫くのが、最初にシップに乗った時に強制で発生するタンザー飲み込まれイベントである。

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リージョンシップを捕食する謎の巨大生物タンザー。その体内にはモンスターもうようよしており、一連のイベントを終えるまで脱出できない。リマスター版では体内に全回復できる場所があるが、元々はLPしか回復できなかったらしい。それ詰みあるじゃん。しかもここのボスはそこそこ強い!

イベント自体は面白く、指輪も手に入って仲間も増えるので、クリアしてしまえば結果オーライなイベントではある。無論クリアできれば、ではあるが。

罠② 戦力不安定な種族、モンスター

最初にモンスターの変身システムはネタバレ配慮の建前と言ったが、理由として小さくはない。

クーンの種族であるモンスターは、倒した敵モンスターを吸収して技を覚えることができ、そのとき持っている技の組み合わせなどで自動的に別のモンスターへと変身する。だが今より強いものに変身できるとは限らず、悲しいほど弱くなってしまうことがまれによくある。

特に困るのが変身するモンスターによって最大LP*1が変動することである。サガフロは主人公のLPが0になるとゲームオーバーなので、クーンのLPは文字通りの生命線だ。これが4とかになった日には、あっという間にゲームオーバーである。

対処法として、第一パーティから外せないクーンの代わりに「第二パーティに主力を集め、クーンを戦闘メンバーから外して休ませる」という手段があるが、自分は頭が全然回っていなくてそんなこと一回もできていなかった。やったほうがいいと思う。

罠③ 落とし穴

落とし穴は伝統的な罠であり、古くは石器時代から動物を狩るために利用されていたらしい。落とし穴に落ちた先というのはたいていロクでもない場所であり、通常這い上がることもできない長めのダンジョンだったりします。いつなんどき落とし穴に落ちるか分からない世の中なので、準備は怠らないようにしましょうね。

罠④ 資質イベントが完遂できない

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術の資質というものがある。 各キャラが上位の術を習得するために必要なものだ。資質を得る方法は術の系統によって様々だが、話をややこしくするのが相反する術系統の存在だ。

中でも秘術のカード集めと印術のルーン集めのイベントは「片方を進めている間、もう片方を進められない」という特徴がある。ルーンのひとつは上述のタンザーにあるが、これは序盤に強制でタンザーを訪れてしまうクーン編では一生取ることができない。

にもかかわらず、指輪集めの過程でルーンを取らなければいけない状況に陥ることがある、らしい。こうなると、ルーンも集まらないしカードのイベントも進まないというどっちも取れないハマり状態になる。回避方法は一応あるし自分は偶然回避していたりしたのだが、知らなきゃ分からないので罠というほかない。

罠⑤ ヴァジュイール宮殿、セーブ不可領域

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順調に指輪を集めていくと、ある変な妖魔と出会うことになる。ヴァジュイールである。彼は「他の指輪を持ってきて、それに対応した宮殿内の小部屋を全てクリアしろ」という。

その小部屋というのが……まぁ実際にやってみてほしいのだが、部屋ごとに変わった趣向が凝らされており、そこそこ初見殺しな内容になっている。あの偉そうな妖魔がワックワクでこれを準備していると思うと無性に腹が立ってくるな!

リマスター版の新システムとして戦闘からの「逃走」が追加されているが、この小部屋内の戦闘はほとんど逃走不可。それによる詰み防止のためか、部屋内ではセーブも不可となっている。

これで何が起こるかというと、次の画像をご覧ください。

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このようにセーブできない場所で残りLP1になることもあり得るということだ。部屋の入口からここに来るまでの時間、およそ一時間である。

リマスター版ではメニューの「シナリオ」に小部屋攻略のヒントがこっそり書かれているので、行き詰まったときはチェックしておこう。

罠⑥ ヴァジュイールのよく回る口 

ヴァジュイールは宮殿をクリアさせるだけでは飽き足らず、指輪を渡す条件として「美しい連携を決めて自分を楽しませろ」と要求してくる。めんどくせえ。

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この戦闘の罠ポイントとして、連携が発動しても「またそれか……」と言われて0点にされてしまうことがあるのだが、同じ技を見せるとこう言われる訳ではない

正確には「連携履歴に載ってるのと全く同じ連携を使った場合」だ。だから見せたことのない連携でも、1ターン目からでもこう言われてしまうことがある。逆に、連携の完成形が少しでも違えば同じ技を使うのは問題ない。

連携には繫がる組み合わせと繋がらない組み合わせがあるので、繋がった組み合わせはゴリ押ししつつ、更に繫がる技を探していくのが有効である。惑わされるな。惑わされた。あいつ許さない。

罠⑦ ラスボス

ラスボス直前にして、最後にして最大の罠が待ち受けている。自分は幸か不幸か全く知らなかったのだが、どうやらオリジナルの発売時から散々語り草になっているらしい。

ラスボスそのものも強敵ではあるのだが、それ以上に戦力を欠いた状態で戦わなければいけないのがたいへん辛い。火力の高い全体攻撃の使い手が複数いないと勝つのは厳しいだろう。

場合によっては一回戻って鍛えなおす羽目になるが、その場合はヴァジュイールをもう一度楽しませる必要がある。めんどくせえな!


思えばサガシリーズはいつも罠ばかりだ。こちらの行動を見透かされたように置かれた罠。かと思えば、お前の知識など知ったこっちゃないというような投げっぱなしな仕様の罠。予想を超えた罠に唖然とし、歯噛みし、結局笑っちゃうのが恒例の楽しみである。何故笑えるのかというと、それが単なる嫌がらせではなくてプレイヤーを楽しませようというサービス精神といたずら心のあらわれであることが伝わるからだろう。

クーン編の罠もそれと同様、冒険を予定調和で終わらせないためのスパイスであり、それこそがサガの魅力でもある。だから一周目だろうが初心者だろうが、臆せずに挑めばいいと思う。なんだかんだ言っても、完全に詰むということはそうそうないだろうから。 

※本文中の攻略情報は自分で確認したものとクリア後に攻略サイトをガーッと巡回して確認したものがあるが、間違いがあったら教えてください


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*1:ここを読んでいる人はたぶんご存じだろうが、LPはライフポイントの略で、HPが0になるたびに1減る、残機のような概念だ。これがある代わりに、HP0からの回復も通常の回復手段で行えてしまうのがサガシリーズの伝統である